米国NIOSH非承認の国際呼吸保護具のろ過効率性能のレポート
米国NIOSH非承認の国際呼吸保護具のろ過効率性能のレポートが公開されました
(2020年8月18日)
米国NIOSH非承認の国際呼吸保護具のろ過効率性能のレポートが公開されました(2020年8月18日)。
米国労働安全衛生研究所-個人保護技術研究所報告(NIOSH-NPPTL報告)
このレポートは、米国食品医薬品局(FDA)1が発行した最初の緊急使用許可(EUA)の評価結果から得られた、NIOSH承認されていない国際呼吸用保護具のろ過性能の結果をまとめ、購入する際の重要な考慮事項について説明したものです。
PPE CASE – Filtration Efficiency Performance of Non-NIOSH-Approved International Respiratory Protective Devices: Phase One
<解説>
NIOSH評価は、多くのNIOSH非承認の国際呼吸用保護具は、その過性能に一貫性がなく、ほとんどの評価でろ過効率が95%未満でした。ろ過性能が一貫して95%以上だったものは33%しかなく、一貫して95%以下だったものは全体の40%に上っています。
例えば、中国の呼吸用保護具の検定基準「Europe/China EN149-2001& GB2626-2006」の認定を受けた22製品を評価したところ、すべての製品でろ過効率が95%以上であったものは0件でした。また「China GB/T32610-2016」「China GB19083-2010」「China GB2626-2006」などの認証を受けた呼吸用保護具の型式のそれぞれの結果が報告されています(下表参照)。日本にも、3月下旬から6月にかけて中国の呼吸用保護具の検定を受けたN95マスク相当の製品が輸入され国内の医療機関に配布されました。各施設では、入手した米国NIOSH非承認のN95マスク相当とされた呼吸用防護具について、本レポートを参照することで、性能評価の一助となります。
なお、米国NIOSH-NPPTLが行った本評価には、日本の防じんマスク検定を受けた呼吸用保護具製品は評価対象に含まれていません。また、本報告はフィルターのろ過効率のみの評価であり、顔への密着性の評価を含めた性能評価でないことに留意する必要があります。
当研究会では、
KN95等の不良品マスクを見分ける方法について」等を公開していますので、あわせて参照ください。
(文責 吉川徹 職業感染制御研究会)